
十勝・池田No.1144★★地図で見る →
いけだワイン城
〜日本初の自治体ワイナリー〜
十勝平野の小さな丘に建つ、町営のワイナリー。コンクリートの建物が古城に見えることから「ワイン城」と呼ばれる。熟成室、ブランデーの蒸留器、売場、屋上がひと続きの順路になっていて、その入口に改札はない。
- 起点帯広駅
- 約45分JR+徒歩10分
- 降車池田駅(JR根室本線)
- 徒歩
- いけだワイン城
狙い目
池田町は、釧路へ向かう列車がそのまま通り過ぎていく小さな町だ。空いて感じられる理由はそれだけで、ワイン城そのものは誰にでも開かれているし、北海道の中では十分に知られた観光地でもある。静けさをつくっているのは無名さではなく、時刻表のほうだ。
場所
北海道のほかの記事 102件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 地下2階の熟成室フレンチオーク樽と古いヴィンテージが並ぶ、入口から2層下の部屋
- 回廊ミュージアム熟成室と売場をつなぐ通路に置かれた、町とワインの歩みの展示
- ブランデー蒸留室1階のガラス越しに見える蒸留器と、その奥に控える貯蔵樽
- 1階のショッピングフロア吹き抜けの下に十勝ワインと池田町の産品が並ぶ売場
- 屋上の展望テラス十勝平野と足もとのブドウ畑を見渡す、夕陽の名所に選ばれた高み
実際の行き方
- 札幌または釧路→帯広駅(JR特急)。
- 帯広駅→池田駅(JR根室本線。特急「おおぞら」も停車)。
- 池田駅→丘の上まで徒歩。東へ坂を上って10分ほど。
- 地下から入って熟成室まで下り、売場を通って屋上の展望テラスへ上がる。
- 帯広駅からJR根室本線
- 起点は帯広駅。根室本線の普通列車で池田駅まで30分あまり、特急「おおぞら」も停まり、こちらはもう少し速い。日中は本数がぐっと落ちるので、帯広を出る前に帰りの時刻を見ておきたい。池田駅に降りた時点で、建物はもう視界に入っている。
- 池田駅から帯広へ戻る
- 丘を下って池田駅へ戻り、根室本線を西へ。朝夕を外れると、次の列車まで1時間以上空くことも珍しくない。駅は有人の窓口こそあるが小さく、待つ場所は限られる。熟成室を見たあとではなく、着いたその足で発車標を確かめて、それに合わせて滞在を組むのがいい。
どんな場所か
醸造所が建つのは、池田駅から東へ、十勝平野にわずかに盛り上がった丘の上だ。運営しているのは町そのもので、正式な名前は「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」という素っ気ないもの。ワイン城という通称は、組織ではなく建物のほうに付いている。見学は順路になっていて、入口の2層下にある熟成室から、売場とブランデー蒸留室を経て、屋上の展望テラスまで上がっていく。この研究所が知られているのは、ヨーロッパの苗木を買うのではなく、寒さに耐える品種を自前で育ててきたことで、赤ワインにはその名前がそのまま付く。
おすすめの楽しみ方
建物が開いているのはおおむね9時から17時まで。4階のレストランはその内側でもう少し短く開く。ガイド付きのツアーは土日祝の予約制だが、申し込まなくても熟成室と回廊、屋上は自分の足で回れる。狙い目は午後の遅い時間で、平野に落ちる夕陽こそ、ここが夕陽の名所に数えられている理由だ。
歴史・背景
1952年に十勝を地震が襲い、さらに冷夏が二年続いて、池田町は財政再建団体に落ちた。当時の町長が目を付けたのが、町を囲む山に自生していた山ブドウだった。1960年に農村青年のブドウ愛好会ができ、1963年には自治体として国内で初めて果実酒の試験製造免許を取得する。その山ブドウから醸した酒は、翌年ブダペストの国際コンクールで銅賞を取った。城の姿をした施設が完成したのは1974年、内部をつくり直したのが2020年だ。
行く前に
- 現金
- 公式の案内では、建物への入館も駐車場も無料。お金がかかるのは買ったもの、味わったもの、食べたものだけだ。見学ツアーは短い無料版と、予約制の長い有料版がある。売店とフードカウンターのために、カードだけでなく現金も持っておきたい。
- 行く前に
- 年末年始は休館になる。屋上のテラスは吹きさらしで、駅から上ってくる道も晩秋から春までは雪に覆われる。冬は徒歩10分では足りないと見ておいたほうがいい。
- 別ルート
- 車なら町なかに案内表示があり、建物のわきに無料の駐車場がある。帯広から釧路方面へ抜ける途中に挟みやすい。ただし主役は試飲なので、ハンドルを握る人はグラスを誰かに譲ることになる。
- 降りたあと
- 池田駅からは案内に従って東へ、坂を上る。舗装路を10分ほどで、灰色の大きな建物はホームからも見えているため、道に迷いようがない。