飛騨・高山No.416★★★地図で見る →

飛騨牛

〜岐阜が育てる黒毛和牛の銘柄〜

food王道を、いちばんいい形で

岐阜の和牛の銘柄には、いちばん安上がりな入口がある。予約ではなく、朝の足だ。宮川の西岸に白いテントが並ぶ高山の朝市から歩き始めれば、川の向こうはもう古い町並みである。

飛騨牛
実写(ライセンス済み)Ankur P / CC BY 2.0

飛騨牛は産地の名前というより、規格の名前である。黒毛和種であること、協議会に登録された農家が育てていること、飼養期間がいちばん長い場所が岐阜県で、14か月以上肥育されていること、そして枝肉格付で肉質等級3・4・5と判定されていること。この四つを満たして初めて飛騨牛と名乗れる。肉屋のための定義だが、旅行者にとっては話が逆に単純になる。牧場ではなく、提供する店がいちばん厚く集まっている町へ行けばいい。高山は串一本から懐石まで揃い、その入口に立っているのが宮川朝市だ。

歴史・背景

岐阜の牛は、戦後しばらくまで田畑を耕す役牛だった。機械化が進んで肉用に切り替わり、地域ごとの名で呼ばれていた和牛を県がひとつにまとめ、1988年に名称が飛騨牛に定まって、銘柄を守るための協議会が置かれる。川べりの市はそれよりずっと古い。高山の市は江戸時代の米市・桑市・花市から育ったもので、明治に入って農家の女性たちが野菜を並べるようになり、朝市という呼び名がそのまま残った。

見どころ(歩く順)

宮川朝市の通りそらみみ / CC BY-SA 4.0
宮川朝市のテント
川沿いに一列に並ぶ白いテント。野菜・果物・漬物・民芸品が主役
向かいの常設の店
テントと道をはさんで向き合う、通り沿いの固定店舗の並び
鍛冶橋
市の下流側の端に架かる橋。高山の市の歴史に何度も出てくる場所
古い町並(上三之町)
川を渡った先の黒い格子の商家通り。串の店や造り酒屋が並ぶ
陣屋前朝市
高山陣屋前の広場で毎日開く、もう一つの朝市

おすすめの楽しみ方

朝市は朝7時から正午まで。12月から3月は8時からになる。狙うなら始まってすぐの時間だ。ここはまず生鮮の市で、観光の人が増える前は売り手と地元の客の会話が場を作っている。食べるのは市のあとがいい。串や寿司は川を渡った古い町並みの側にあって、そちらは開くのが遅い。市、橋、それから朝ごはん。この順番が自然に合う。

実際の行き方

起点
名古屋駅
所要
約2時間15分 · 特急ひだ・名古屋から直通
降車
高山駅(JR高山本線)
  1. 名古屋駅→高山駅(JR特急ひだ・約2時間15分、指定席推奨)。
  2. 高山駅東口→宮川朝市(東へ徒歩約10分)。
  3. 川沿いのテントを鍛冶橋の側まで歩き通す。
  4. 橋を渡って古い町並みへ入り、串の店を回ってから陣屋前の市へ戻る。
特急ひだ・名古屋から直通
名古屋駅→(JR特急ひだ・最速で約2時間15分)→高山駅、そこから東へ歩いて川まで。この区間のひだは一日に数本しかないので、指定席を取り、列車に合わせて一日を組むほうが早い。
高山駅から戻る
西へ歩いて高山駅に戻り、特急ひだで名古屋へ。北へ向かえば富山方面にも出られる。本数の限られた山の路線で、遅い時間の逃げ道はない。着いた時点で最終の発車時刻を見ておきたい。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
朝市を歩くだけなら料金はかからない。露店は一軒ずつの商いなので現金を用意しておくとよい。高山駅には券売機と窓口があり、ひだの指定席もここで取れる。
定休
朝市は毎日開かれるが、雨や大雪の日は出店者が減る。開催時間のなかに準備と片づけも入るため、終わり際は思ったより静かになる。飛騨の冬は寒く雪も深い。川べりに逃げ場はない。
別ルート
日本海側からなら、特急ひだが富山から南下して高山まで約1時間30分。名古屋・東京・金沢からの高速バスも、駅のとなりのバスターミナルに着く。
降りたあと
高山駅の東口を出て東へ徒歩約10分。市は宮川の西岸に沿って立ち、下流側の端が鍛冶橋。橋を渡った先が古い町並みになる。

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