
北海道東・弟子屈No.1127★★地図で見る →
硫黄山 アトサヌプリ
〜川湯温泉の湯の源になる活火山〜
駐車場から歩いて、いま噴いている噴気孔の横に立てる活火山。灰色の砂礫と黄色い硫黄の結晶、そして耳に届く噴気の音が、道の尽きたすぐ先にある。
- 起点川湯温泉駅(JR釧網本線)
- 約5分JR+車で約5分
- 硫黄山 アトサヌプリ
狙い目
秘密の場所でもなく、登山でもない。バスが停まり、緑の季節の駐車場は有料で、いちばん近い噴気までは車から数分だ。珍しいのは、活きた噴気孔とのあいだにほとんど何も無いことだ。ロープが一本と、風向きを読む自分の判断だけがある。
場所
北海道のほかの記事 102件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 駐車場と売店裸の地面のふちに立つ売店とトイレ
- 白い砂礫の平地日陰のない明るい地面。渡るのに数分
- 噴気孔群黄色い結晶をまとった噴き出し口。近づくと音と熱がある
- 焼けた斜面灰色の岩と硫黄の染み。草の根づかない一帯
- つつじヶ原自然探勝路の入口川湯温泉へ下る約2.5キロの道の起点
実際の行き方
- JR釧網本線で川湯温泉駅へ。
- 最後の区間は車かタクシーで。北海道公式の案内では五分ほど。
- または釧路発の阿寒バス「ピリカ号」に乗る。硫黄山で降ろしてくれる。
- 駐車場から砂礫へ出て、いちばん近い噴気へ向かう。
- 川湯温泉駅から短い車移動
- 釧網本線が川湯温泉駅まで来る。そこから先は、北海道公式の案内で車五分ほどだ。車がないなら、釧路発の阿寒バス「ピリカ号」が四月半ばから十二月下旬まで毎日走り、硫黄山で三十分の下車がある。噴気孔の一帯を見るだけならその長さで足りるが、山のほかの部分には届かない。
- 川湯温泉へ、あるいは釧路へ
- この線の列車は上下とも本数が少ない。山へ出る前に帰りを決めておきたい。定期観光バスはここへ戻ってこない。屈斜路湖と阿寒湖をまわって釧路で終わる、一方通行の周回だからだ。
どんな場所か
アトサヌプリは屈斜路カルデラの中ほどに立つ、標高508メートルの溶岩ドームだ。アイヌ語の名は「裸の山」を指し、斜面はその名のとおりになっている。火山ガスが植物を寄せつけないので、地面は灰色の岩と黄色い皮膜のまま残る。駐車場はその同じ地面の上にあり、そこから砂礫の平地が噴気孔のほうへ延びていく。気象庁はこの山を常時観測火山として見張っている。噴気を押し上げている熱は、下の川湯温泉の湯にもなる。温泉層が地表のすぐ近くを流れているため、町の名は湯の川から取られた。
おすすめの楽しみ方
この場所は風で決まる。噴気が向こうへ流れていれば輪郭が立って写真になり、こちらへ来るならそれは亜硫酸ガスなので、正しい動きは待つことではなく横へ回ることだ。駐車場が開いているのは日中で、朝いちばんに着いても門はまだ閉じている。
歴史・背景
この山で硫黄の採掘が始まったのは1877年で、以後の弟子屈の町はこの鉱山を軸に形をつくった。初期の経営者のひとりは、標茶に置かれた釧路集治監の囚人を斜面へ送り込み、亜硫酸ガスと粉じんは働いた者たちの目を潰し、傷めた。その後の持ち主は鉱石を運ぶ鉄道と精錬所を建て、事業はいくつもの手を渡ったのち、最後の鉱業所が1963年に閉じた。いま踏んでいる裸の地面には、火山だけでなくその時代の分も混じっている。
行く前に
- 現金
- 駐車場は緑の季節は有料で、冬は無料開放になる。券は同じ日の摩周湖第一展望台にも使えて、有効なのはその日だけだ。カード対応は公式に書かれていないので、現金を持っていくこと。
- 知っておきたいこと
- 危ないのは地面ではなくガスのほうだ。噴気がこちらへ流れてきたら、収まるのを待つのではなく、その筋から横へ出る。頂上は落石と滑落の事故のあと単独では登れなくなっていて、環境省の記事は認定ガイド付きのツアーに限ると書いている。
- 別ルート
- もう一本、歩いて入る道がある。つつじヶ原自然探勝路は川湯ビジターセンターと山を片道一時間ほどで結び、高低差はほとんどない。針葉樹林、広葉樹林、イソツツジ、ハイマツと、土が酸性に振れるにつれて植生の帯が入れ替わっていく。イソツツジが白く咲くのは六月だ。
- 降りたあと
- 駅から歩く道はない。最後の区間は車道で、裸の斜面の足元にある駐車場で終わる。舗装が切れると地面は白い砂礫に変わり、いちばん近い噴気まではそこを少し歩く。