
高知東部・馬路No.921★★地図で見る →
馬路村
〜杉の山あいのゆずの村〜
高知の東、杉に囲まれた谷。ゆずの事業を起こしたのは飲料メーカーではなく村の農協だった。工場も、直売の店も、温泉も、森林鉄道の跡も、川沿いを歩ける範囲に収まっている。
- 起点安田駅
- 約1時間谷を上るバス・便数少なめ
- 降車馬路(高知東部交通・安芸〜魚梁瀬線)
- そこから
- 馬路村
狙い目
馬路村は隠れてなどいない。瓶は全国に出回っているし、農協の取り組みは地域経済の教材にもなっている。ただ、その現場を見に来る人がほとんどいない。バスは一日に数本で、谷は観光の周遊路ではなく、今日も働いている場所だからだ。
場所
高知のほかの記事 18件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 馬路温泉谷のいちばん上流にある村の湯。前庭を森林鉄道を模した機関車が周回する
- インクライン温泉の上の斜面に伸びる赤いレール。木材を引き上げていた時代の名残
- ゆずの森加工場農協の瓶詰め工場。ラインを見下ろす見学路と、その先に直売の店がある
- まかいちょって家橋のたもとの村の案内所。ゆずの品と魚梁瀬杉の木工、二階に森林鉄道の資料
実際の行き方
- 高知駅→安田駅(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線、海沿いを東へ)。
- 安田駅→馬路(高知東部交通バス・馬路/魚梁瀬行き、県道12号を約1時間)。
- まず川上へ歩いて温泉と森林鉄道の周回線路を見て、折り返す。
- 川下へ歩いてゆずの森加工場へ、最後は橋のたもとの観光案内所で終える。
- 高知から安田へ、そこから谷のバス
- 高知駅から土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線で海沿いを東へ、安田駅まで。そこから高知東部交通の馬路・魚梁瀬行きバスに乗り換え、県道12号を谷へ上る。村役場は安田から約20キロと案内しており、バスならおよそ1時間の道のりになる。往復とも便は多くない。
- 谷を下って戻る
- 同じ路線で安田へ下り、ごめん・なはり線で高知へ。バスは一日数本しかないので、歩き出す前に帰りの便を決めておきたい。乗り遅れると、タクシーではなく村での一泊になる。
どんな場所か
馬路村は安田の奥、安田川の上流にある。村の面積の96パーセントが森で、田畑になる平地はほとんど残らない。だから米ではなく木が、長いあいだこの村の暮らしを支えてきた。木材が売れなくなったとき、村の農協は、家々の庭に実るゆずをそのまま出荷するのをやめ、瓶に詰めることを選んだ。人口の少ない山村の名前が全国の棚に並んでいるのは、この判断のせいである。谷はいま、一本の通りのように読める。工場も、店も、温泉も、鉄道の跡も、川に沿って一列に並んでいる。
おすすめの楽しみ方
工場が動くのは昼間なので、午前の遅い時間に着いて、まず川上の温泉まで歩き、そこから下って工場と店に寄る順がいい。四か所をゆっくり回って三時間ほど。湯に入る時間もそこに収まる。帰りのバスは、歩き出す前に確かめておくこと。
歴史・背景
この山の魚梁瀬杉は、土佐藩が伐採を禁じて守った木で、のちに高知県の木にもなった。丸太を運び出した森林鉄道はもう走っていないが、切石で積まれた隧道が国の重要文化財として残っている。戦後、製材だけでは村の暮らしを支えきれなくなったとき、農協は家々の庭のゆずに目を向けた。はちみつ入りのゆず飲料「ごっくん馬路村」が売り出されたのは1988年。以来これが、村の名を運ぶ看板になっている。
行く前に
- 現金
- 農協の工場は見学を無料と案内していて、観光案内所も入場料のいる施設ではない。温泉は有料。銀行の支店もカード対応の店も少ない谷なので、現金を持っていきたい。
- 行く前に
- 工場が動くのは昼間の時間帯で、年末年始は休む。午前の遅い時間か昼過ぎに着くのが確実だ。上っていく道は川沿いの谷筋で、台風のあとは通行止めになることがあり、そのときバスは村の手前で折り返す。
- 別ルート
- 同じ高知東部交通の路線は、海岸をもう少し西へ行った安芸から出ている。ごめん・なはり線の途中から乗るならこちらが早い。車なら高知東部自動車道・芸西西ICから1時間ほど。
- 降りたあと
- バスは川沿いの道、村の真ん中で降ろしてくれる。農協の工場は同じ道を数分下ったところ。温泉と鉄道の跡は、同じくらいの距離を上ったところにある。