
飛騨・高山No.1117★★地図で見る →
朴葉味噌
〜朴の葉で焼く飛騨の味噌〜
乾かした朴の葉を器にして、味噌と葱としいたけをのせ、小さな火であぶりながら食べる。葉の香りが移るころが食べどきだ。飛騨だけの食べ方で、夕食よりも朝食の膳で出会うことのほうが多い。
- 起点高山駅
- 約10分周遊バスで約10分
- 降車飛騨の里バス停(さるぼぼバス)
- 徒歩
- 朴葉味噌
狙い目
隠れた料理ではない。古い町並みの店はどこも品書きに載せているし、土産物屋には味噌をのせた葉が並んでいる。旅行者が取りこぼすのは、この料理が本来どの時間に属しているかのほうだ。飛騨では朝の食べ物で、旅館の朝食の膳に載る素朴なほうが元の姿にあたる。夜に出る飛騨牛入りは、後から華やかになった顔だ。
場所
岐阜のほかの記事 18件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 入口の池斜面の裾に広がる水面。その上に茅葺きの屋根が並んで映り込む
- 合掌造りの民家飛騨各地から解体して運び、この斜面に組み直した急勾配の茅葺き
- 囲炉裏のある居間床の中央を切って火を置いた部屋。この料理が生まれた場所そのもの
- 重要文化財の四棟敷地内で国の重要文化財に指定されている民家
実際の行き方
- 高山駅→隣接する濃飛バスセンターへ。
- バスセンター→飛騨の里バス停(さるぼぼバス・約10分)。
- 入口の池から坂を上り、茅葺きの民家と囲炉裏の部屋を一巡りする。
- 街なかへ戻り、店で食べるか、葉と味噌の組を買う。
- 高山駅からさるぼぼバス
- 高山駅の隣にある濃飛バスセンターから、周遊バス「さるぼぼバス」で飛騨の里バス停まで約10分。運賃は小銭で足り、一日券はバスセンターで買える。運行は午前の遅い時間からで、便と便の間隔も空くので、帰りの時刻を決める前に発車案内を見ておきたい。
- 高山駅へ戻る
- 同じ周遊バスで高山駅横のバスセンターへ戻る。便を逃したら、下り坂を歩いて街なかまで約30分。天気が良ければ歩ける距離だ。高山駅からは特急ひだが南は名古屋、北は富山方面へ向かうが、直通は一日数本しかない。
どんな場所か
朴(ほお)はこのあたりの山に多い落葉広葉樹で、その葉は大きく、抗菌の力を持つ。包んでおけば食べ物は日持ちし、葉の香りが移る。飛騨で語られてきた由来は、山仕事をする杣人が朴葉を皿がわりにして、山の火で味噌を焼いたというものだ。やがてその習慣が家の中へ入る。居間の真ん中には囲炉裏があり、炭火の上に金網を置けば、乾いた葉をそのまま載せられた。凍った漬物や貯めておいた葱も、同じ金網で温めた。いま卓上のコンロで牛肉と一緒に出てくる料理は、もとをたどれば冬を越すための家事だった。
おすすめの楽しみ方
飛騨の里の開場は8時30分、さるぼぼバスの始発は9時。この時間割は料理の順番とよく合う。まず旅館の朝食で葉ごと味わい、それから囲炉裏の部屋を見に来る。逆の順でも構わないが、夏は坂を午前のうちに歩くほうがいい。街なかに戻れば、葉と味噌を組にした土産が売られている。この料理のうち持ち帰れるのは、そこだけだ。
歴史・背景
飛騨は林業の土地で、この料理は山で働いた人たちの手から始まったと伝えられている。皿は無いが葉はいくらでもあった。山の火から家の囲炉裏へ移ったあとも役割は変わらず、味噌も漬物も凍る冬に、まず温めるための道具立てだった。家の中の習慣にとどまっていたのが、戦後になって葉と味噌を組にした土産物が売られはじめる。二月をしのぐ知恵が、持ち帰れるものに変わった瞬間だった。
行く前に
- 現金
- 飛騨の里は入場が有料で、周遊バスは車内払いかバスセンターで買う乗車券になる。どちらも少額なので小銭を持っておきたい。料理そのものを食べる・買うのは街なかに戻ってからで、店で食べるか、葉と味噌の組を土産に買うかのどちらかになる。
- 行く前に
- 飛騨の里は通年開いていて、敷地は斜面で、舗装されていない道もある。飛騨の冬は雪深く、民家に暖房はない。二月にはそれ自体が見どころになるが、装備がなければつらい。夏は日を遮るものが少ないので、坂は午前のうちに歩くほうが楽だ。
- 別ルート
- 車なら高山の中心部から西へ少し走った場所で、入口に有料の駐車場がある。周遊バスの運行が終わったあとは、高山駅からのタクシーが代替になる。
- 降りたあと
- 飛騨の里バス停から駐車場の脇を抜けて坂を下ると、数分で入口の券売所に着く。