
広島西・湯来No.960★★地図で見る →
湯来温泉
広島市の西の端、木々に囲まれた谷を流れる水内川のほとりに湧く温泉。鉄道は通らず、泊まれる場所も数えるほど。国民保養温泉地に選ばれた湯が、そこにある。
- 起点五日市駅
- 約70分広電バス・約70分
- 降車湯来ロッジ前(広電バス湯来線)
- そこから
- 湯来温泉
狙い目
湯来は誰にも知られていない場所ではない。広島の人が代々使ってきた休みどころで、宿は市が運営している。それでも静かなのは、駅がないからだ。谷に入る手段はバス一系統か車に限られ、泊まれる場所は数えるほどしかなく、訪れる人の多くは湯に入ってその日のうちに帰る。
場所
広島のほかの記事 25件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 温泉街の入口谷の道から分かれる角。宿と湯の位置を描いた案内板が立つ
- 湯来交流体験センター観光案内の窓口と足湯、地のものを並べた特産品の売り場。ロッジの隣にある
- 湯来ロッジ市が運営する宿。日帰り入浴ができ、露天風呂は川に面している
- 水内川の川べり温泉街が沿って建つ清流。鮎で知られている
実際の行き方
- 広島駅→五日市駅(JR山陽本線・西へ普通列車で少し)。
- 五日市駅南口→湯来ロッジ前(広電バス湯来線・谷を上がって約70分)。
- バス停で帰りの時刻を確かめてから、湯来ロッジへ歩いて日帰り入浴。
- 車があれば、谷をさらにさかのぼって湯の山温泉と江戸期の湯治場へ。
- 五日市駅から広電バス
- JR山陽本線の五日市駅・南口から、広電バスの湯来線「湯来ロッジ前」行きに乗る。谷を上がって約70分。五日市駅は広島駅から普通列車で西へ少し行った駅だ。公共交通で入る道はこのバスだけなので、予定はバスの時刻に合わせて組む。逆の順で組むと詰まる。
- 同じ路線で谷を下る
- 帰りも同じ広電バスで五日市駅まで下り、そこからJRで広島駅へ。遅い便があるだろうと当て込まず、着いたときにバス停で帰りの時刻を読んでおくこと。乗り遅れた場合の代替は谷をまるごと下るタクシーになり、距離も料金もかさむ。
どんな場所か
湯来温泉は広島市佐伯区の山あい、市域のいちばん西の端を流れる水内川のほとりにある。広島の人はこのあたりを「奥座敷」と呼ぶ。家の奥にある静かな部屋、という言い方だ。湯はアルカリ性の単純弱放射能温泉で、肌にやわらかく、西日本の名の通った温泉にありがちな硫黄の匂いがない。集落は川より一段高い道のカーブに沿っていて、市の宿と交流施設、それに湯があるだけだ。同じ谷を少しさかのぼると湯の山温泉があり、二つで一つの温泉郷として扱われている。
おすすめの楽しみ方
ロッジの日帰り入浴を使えば、この谷は市街からの半日の行き先になる。だから帰り際ではなく、着いた時点で帰りの便を確かめておきたい。車があるなら上流の湯の山まで足を延ばすとよい。ここの打たせ湯は23.5度ほどの源泉をそのまま落としていて、内湯の温かい湯と交互に入るのが地元の入り方だ。すぐ近くには藩政期の湯治場が残っている。壁に残された書き込みを読んでいると、湯に浸かっていた時間より長くなる。
歴史・背景
湯の起こりとして伝わるのは、日本各地にある型の話だ。傷ついた白鷺が川で身を癒しているのを村人が見つけ、たどっていって源にあたったという。確かな記録は1750年から始まる。この年、広島藩は藩主・浅野吉長の命で、上流の湯の山に明神社と湯治場を建てた。藩主が入ったのち、その湯は庶民にも開かれた。湯治場はいまも残り、壁一面に湯治客の書き込みが重なっている。1974年に国の重要有形民俗文化財となった。湯来のほうは1955年に国民保養温泉地に指定されている。
行く前に
- 現金
- 湯来ロッジも、上流の湯の山温泉館も市の施設で、日帰り入浴には料金がかかる。金額は受付に掲示されている。ネット上の記載はまちまちなので、どこかで見た数字を前提にせず、現地で確かめるほうが早い。現金は用意しておきたい。小さな谷で、カードが使える場所は多くない。
- 行く前に
- この谷の施設は、設備の故障で急に休みになったことがある。泊まれる場所も限られているので、出かける前にどこが開いているかを確かめておくこと。公共の出入りがバス一本しかないぶん、着いてから休みだと分かると立て直しが利かない。
- 別ルート
- 車なら、山陽自動車道の五日市IC、または中国自動車道の戸河内ICから谷に入る。車があると上流側も回れる。湯の山温泉と江戸期の湯治場、支流沿いの滝は距離が離れていて、バスではつながっていない。
- 降りたあと
- バスは「湯来ロッジ前」で終点になる。そこがもう温泉街で、湯来ロッジと交流体験センターはバス停から見える位置にある。案内板の立つ温泉街の入口は道を少し戻ったところ、川べりはその下だ。