
山陰・智頭No.594★地図で見る →
板井原集落
〜都道府県選定で全国初の集落〜
智頭の谷筋に、江戸から昭和初期までの木と茅の家並みがそのまま残る集落。都道府県が選んだ伝統的建造物群保存地区としては、全国で最初の一つになった。
- 起点智頭駅(JR因美線・智頭急行智頭線)
- 約10分智頭駅からタクシー約10分
- 板井原集落
狙い目
無名の場所ではない。県が選び、町の観光協会が案内している集落だ。取り違えやすいのは、そこがどういう場所かのほうである。並んでいるのは人の家で、県の文化財記録にも内部は非公開と明記されている。この集落は道から読むようにできていて、それがいちばん正直な見方でもある。
場所
鳥取のほかの記事 10件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 板井原隧道峠の下を抜くトンネル。ここから車が谷へ入るようになった
- 板井原公民館集落の中ほどに建つ、昭和初期の木造の建物
- かやぶきの藤原家住宅瓦屋根に混じって一軒だけ残る、茅葺きの民家
- 板井原の小径川に沿って家並みをつなぐ、集落でただ一本の道
- 向山神社屋根を見下ろす斜面に建つ、集落の氏神
実際の行き方
- 智頭駅→板井原(町の北東へ延びる谷の道をタクシーまたは車で約10分)。
- 尾根の下のトンネルを抜けると、その先が集落になる。
- 車は入口に置いて歩く。道は細く、家はいまも人の住まいだ。
- 一本道を公民館とかやぶきの家までたどり、斜面の神社まで上がってから引き返す。
- 智頭駅からタクシー・車
- 智頭駅→板井原、町の中心から北東へ延びる谷の道を約10分。智頭駅はJR因美線と智頭急行智頭線の接続駅で、大阪と鳥取を結ぶ特急スーパーはくとは全列車が停まる。関西からなら乗り換えなしで駅まで来られる。
- 智頭駅へ戻る
- 同じ道を下る。集落に路線バスは入っていないので、降ろしてもらう前に帰りの時間を運転手と決めておくか、智頭のタクシー会社の番号を控えておきたい。
どんな場所か
板井原は智頭の北東、杉に囲まれた谷筋にある。江戸のあいだは農業と炭焼き、明治に入ってからは養蚕がこの集落を支えた。やがて道が来る。峠の下にトンネルが抜け、車がはじめて谷へ入り、人はみるみる減っていった。残ったのは、建て替えの波をほとんど受けなかった集落だ。江戸から昭和初期までの家が、それぞれの時代の暮らしの形を抱えたまま隣り合っている。鳥取県が選定の理由に挙げたのは、まさにその密度だった。家並みは川沿いの一本道に沿って続く。建物は人の住まいで、そのあいだを抜ける道だけが開かれている。
おすすめの楽しみ方
明るいうちに来て、車で通り抜けずに歩くこと。見るものは道そのものだからだ。県の記録にあるとおり内部は非公開なので、この訪問は最初から外を見るためのものになる。屋根、壁、川、そして神社へ上がる坂。鳥取県の観光案内がこの集落を推すのは、谷の両側を下りてくる紅葉の時期である。
歴史・背景
谷には平家の落人伝説が伝わる。十二世紀の戦に敗れた者が上流に身を隠したという話だ。ただし記録に残る暮らしは農のもので、江戸には炭焼きと農業、明治には養蚕が生業だった。徒歩でしか入れない土地だったのが、1967年のトンネル開通で変わる。この集落の来歴は、そこを境に折れている。2004年、鳥取県は板井原を伝統的建造物群保存地区に選定した。市町村ではなく都道府県が選んだ保存地区としては、全国で最初のものである。
行く前に
- 現金
- 道は公共のもので、歩くのは無料。家は住まいで、県の文化財記録にも内部は非公開とある。設備の整った観光地ではなく、人の暮らす谷として扱いたい。
- 行く前に
- このあたりは雪が深く、行き着くまでは山の道だ。冬はそもそも予定が立たない日もある。季節を問わず、明るいうちに歩くのがいい。
- 別ルート
- 車なら鳥取自動車道の智頭ICから約15分。
- 降りたあと
- 鉄道で行けるのは智頭駅まで。町の中心から北東へ谷の道が延び、尾根の下のトンネルを抜けたすぐ先が集落になる。道が細くなるところから歩きはじめる。