
千葉・南房総市No.1063★★地図で見る →
房州うちわ
〜岩井駅前のうちわ会館〜
日本三大うちわの残る二つは京都と丸亀のもの。三つめは、竹の育つ房総半島の南でつくられている。岩井駅の正面に建つ小さな会館が、いまのつくり手たちの売り場になっている。
- 起点東京駅
- 約2時間30分JR内房線
- 降車岩井駅(JR内房線)
- 徒歩
- 房州うちわ
狙い目
房州うちわは無名の技ではない。国の指定を受け、京・丸亀と並べて語られる。むずかしいのは「つくっているところを見る」ほうだ。つくり手は南房総市と館山市の小さな仕事場に散っていて、その多くは見学を前提にしていない。だから振興協議会は、この技に一つの住所を与えるつもりで会館を開いた。開くのは週のうち限られた日だけ。それは規模についての正直な表明でもある。観光施設ではなく、残った手の数だけで回っている現役の仕事なのだ。
場所
千葉のほかの記事 50件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 岩井駅前のロータリー会館が正面に向き合う、内房線の小さな駅
- 会館の玄関開いている日は扉のわきに立つ「房州うちわ」ののぼり旗
- 1階の仕事場ガラス越しではなく、その場で骨を編んでいる手元
- 仕上がったうちわの窓一本の竹を48〜64に割いた骨が組む、半円の格子
- 岩井海岸駅前から西へ、地引網の入る弧を描いた砂浜
実際の行き方
- 東京駅から内房線直通の列車で君津へ行き、館山方面の普通列車に乗り換えて岩井で降りる。
- 岩井駅の西側の出口を出て、駅前広場に立つ。
- 広場に面した会館へ。扉のわきののぼり旗が目印。
- 海岸へ行くなら、広場から西へ道なりに歩いて砂浜に出る。
- JR内房線・君津乗り換え
- 東京駅 →(総武快速線から内房線へ直通、君津まで)→ 君津 →(館山・安房鴨川方面の普通列車)→ 岩井。全体で2時間30分ほどを見ておきたい。君津から南は本数が少なくなるので、ホームで考えるのではなく、出発前に接続を控えておくこと。
- 岩井駅からの帰り
- 上りの普通列車で君津まで戻り、そこで東京方面に乗り換える。内房線の南半分は夕方以降さらに細くなるので、閉館後ではなく到着したときに帰りの時刻を見ておきたい。
どんな場所か
房州のうちわが他の二つと違うのは柄だ。京うちわは平らな柄を別の骨に差し、丸亀うちわは全体が平柄。房州は竹の丸みをそのまま柄にして、同じ一本の先を細く割いて骨にする。柄と骨が地続きになっているわけだ。工程は21。一人で全部をやるのではなく、竹を伐る人、割く人、編む人、貼る人と分かれてきた。この分業があるから、この技は一軒の工房ではなく一つの地区のものになった。共同の会館が窓口として成り立つ理由もそこにある。
おすすめの楽しみ方
会館が開いている日に行けば、1階は店ではなく仕事場になる。わざわざ来る意味はそこにある。うちわは夏のものだが、つくる作業は年間を通して続いている。会館で30分、そのまま砂浜まで歩けば午前がひとつ埋まる。
歴史・背景
房州は、うちわを作る前から江戸へ竹を送る土地だった。うちわづくり自体が始まったのは明治10年、1877年の那古(現在の館山市)とされ、しばらくは骨だけを房州でつくり、東京で仕上げて江戸うちわとして売られていた。潮目が変わったのは1923年の関東大震災。日本橋の問屋が焼け、竹の産地と港に近い船形へ移ってきたことで、一連の工程がこの土地に落ち着いた。2003年、千葉県で最初の国指定を受けたのがこのうちわである。
行く前に
- 現金
- うちわは会館で買える。棚に並ぶものはつくり手の仕上がり具合で変わるので、値段はその日に尋ねるものと考えたい。店ではなく協議会の売り場なので、現金を持っていくほうが確実。駅の改札はICカードが使える。
- 行く前に
- 会館が開くのは週のうち限られた日で、都合により閉まることもある。ここを目当てにするなら、協議会の公式ページで確認してから出かけたい。地区の他のつくり手は基本的に予約制。天候に左右される要素はない。
- 別ルート
- 館山まで来ているなら、内房線を北へ数駅で岩井に着く。南房総の海岸をまわる一日に会館を挟むならこちらが早い。車なら富津館山道路の鋸南富山インターがいちばん近い。
- 降りたあと
- 岩井駅の出口は西側の一つだけ。会館は駅前広場に面していて、改札から1分ほど。開いている日なら、階段を下りた時点で扉わきののぼり旗が見える。