
高知西部・梼原No.926★★地図で見る →
梼原の隈研吾建築
四万十川の源流に近い山の小さな町が、長いあいだ同じ建築家に発注し続けた。できたのは役場と、まちの駅と、図書館。材はいずれも町の杉で、どれも公共の建物、歩いて回れる距離にある。
- 起点須崎駅
- 約1時間須崎駅からバス・便数少なめ
- 降車梼原(高知高陵交通・須崎線)
- そこから
- 梼原の隈研吾建築
狙い目
隠れているのではなく、記録は揃っていて、ただ遠い。鉄道はなく、海側から越えてくるバスは一日に数本。四国カルストを目指す車は、たいてい町を素通りしていく。建物はどれも公共施設なので、並ぶ改札もない。
場所
高知のほかの記事 18件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 梼原町総合庁舎この一群で最初の建物。杉の軸組で、一階ホールに茶堂がしつらえてある
- まちの駅「ゆすはら」東面を茅で覆った市場と宿。館内には杉の丸太柱が林のように立つ
- 雲の上の図書館町立図書館。木を段に積み上げた室内に、カフェとクライミングウォール
- ゆすはら座戦後に建った木造の芝居小屋。今も神楽や町の集まりに使われている
- 雲の上のギャラリー町の東にある木の刎橋。一本の支えから外へ、材を跳ね出して組んである
実際の行き方
- 高知駅→須崎駅(JR土讃線、海沿いを西へ)。
- 須崎駅→梼原(高知高陵交通バスで山あいへ、およそ1時間)。
- バス停から北へ歩き、総合庁舎、まちの駅、図書館の順に見る。
- 車か時間の余裕があれば、町の東の雲の上のギャラリーまで足を延ばす。
- 須崎から峠を越えるバスで
- 最寄り駅はJR土讃線の須崎駅。そこから高知高陵交通のバスが山あいへ入り、およそ1時間で梼原に着く。便数は少ないので、乗る列車を決める前に時刻表と突き合わせておきたい。
- 海側へ下って戻る
- 同じ路線で須崎駅まで戻り、土讃線で高知へ。最終の便は都市の感覚からするとかなり早く、代わりの手段もない。帰りの時刻を先に決めて、そこから一日を組み立てるのが確実だ。
どんな場所か
梼原は高知の西のはずれ、四万十川の源流に近い山の上にある。愛媛へ抜ける古い峠道の途中の町だ。町は小さく、その名を知らせた建物は、町の人が毎日使っている建物でもある。ランドマークを一つ発注する代わりに、町は役場を、まちの駅と宿を、福祉施設を、図書館を、同じ建築家に頼み続け、そのたびに地元の杉を使うよう求めた。町は自分のサイトにその一覧を載せ、歩いて回る道筋として扱っている。中心部は車を出すまでもない広さだ。
おすすめの楽しみ方
中心部は狭く、総合庁舎・まちの駅・図書館は徒歩十分ほどの範囲に収まる。歩くだけなら一時間もかからず、あとは見る時間の取りかた次第だ。雲の上のギャラリーは町の東で、そこだけ別行程になる。海側から越えてくるバスは一日に数本なので、開館時間より先に、帰りの便を軸に組むこと。
歴史・背景
梼原は峠道の町で、旅人に茶をふるまう小さな堂——茶堂——を辻に置く習わしがあった。いまの建物が引いているのは、その習わしである。2006年に完成した総合庁舎は周囲の山の杉を使い、一階のホールに茶堂をしつらえて、来た人を最初にそこで迎える。続いて建った市場と宿は、谷にまだ残る茅葺屋根を借りて、東側の壁を茅で覆った。図書館はさらにあとの世代で、同じ木を段に積み上げ、座るというより登っていく部屋にした。
行く前に
- 現金
- 役場もまちの駅も図書館も公共の建物で、入るのに料金はいらない。まちの駅は特産品を売り、図書館にはカフェがある。この規模の町では、現金を持っている前提で動いたほうがいい。
- 行く前に
- どれも働いている建物であって博物館ではない。図書館にも役場にもそれぞれの休みがあり、休日の庁舎は静かだ。冬は山の冬で、峠道は雪の影響を受けることがある。
- 別ルート
- 梼原は国道197号と440号が交わる位置にある。愛媛の内子・大洲から峠を越えて入る道、四国カルストへ上がる道の途中なので、往復するより、車の行程に組み込むほうが自然だ。
- 降りたあと
- バスは町の中心部の南寄り、幹線道路沿いに停まる。役場は徒歩で数分北、まちの駅と図書館はさらに数分先、いずれも同じ通り沿いにある。