
北海道北西・天売島と焼尻島No.918★★地図で見る →
天売島と焼尻島
羽幌から出る一本の航路が結ぶふたつの島。天売島の西海岸の断崖には、日本で唯一のウミガラスの繁殖地がある。焼尻島には風に縮められたイチイの森と、その先の牧草地が広がる。
- 起点羽幌港
- 約95分羽幌港からフェリー
- 降車天売港フェリーターミナル(羽幌沿海フェリー)
- そこから
- 天売島と焼尻島
狙い目
どちらも知られていない島ではない。海鳥の繁殖地もイチイの森も国の天然記念物で、一帯は国定公園に指定されている。人が少ないのは、あいだに海があり、季節でダイヤが変わるからだ。航路を持つ会社は一社きり。冬の便は薄くなり、海が荒れれば運航は止まる。ここへ来る人は、来ると決めて来ている。
場所
北海道のほかの記事 102件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 焼尻港行きも帰りも先に着く港。島の東側にある
- 焼尻郷土館旧小納家住宅。木造二階建ての網元の住まいで、電信室がそのまま残る
- 焼尻の自然林風に押さえつけられて低く太くなったオンコ(イチイ)の森。島のかなりの面を覆う
- 天売港二番目に着く港。島の北東側にあり、島をまわる道はここから始まる
- 千鳥ヶ浦西海岸の海鳥の繁殖地。海鳥観察舎と観音岬展望台から様子を見られる
- 赤岩西の断崖の沖に立つ奇岩。まわりの斜面はウトウの巣穴のコロニーになっている
実際の行き方
- 札幌→羽幌(沿岸バス「特急はぼろ号」。鉄道なら深川駅か秩父別駅でバスに乗り継ぐ)。
- 羽幌市街→羽幌フェリーターミナル。
- 羽幌→焼尻→天売(羽幌沿海フェリー「おろろん2」または高速船「さんらいなぁ2」)。
- 天売港→道道548号で西海岸へ。断崖と海鳥の展望台はこちら側。
- 羽幌港から天売島へ
- 羽幌に鉄道は来ていない。札幌からは沿岸バスの「特急はぼろ号」があり、鉄道で向かう場合、観光協会は深川駅か秩父別駅でバスに乗り継ぐ道を案内している。船は羽幌フェリーターミナル発。フェリー「おろろん2」か高速船「さんらいなぁ2」で、焼尻に寄ってから天売に着く。
- 羽幌へ戻る
- 帰りは同じ航路を逆にたどる。天売、焼尻、羽幌の順だ。秋冬の薄いダイヤでは、天売を出る唯一の便が午前の遅い時間になる。本土からの日帰りは事実上できないと考えたほうがいい。船と宿は、別々にではなく一緒に押さえる。
どんな場所か
ふたつの島は、日本海に面した同じ海域に並んでいる。焼尻島は羽幌の西およそ25キロ、天売島はその少し先だ。天売島は周囲約12キロ。低くなだらかな緑の島だが、西側だけが海へ崩れ落ち、断崖になっている。北海道開発局は、ここに集まる海鳥をおよそ100万羽と見積もっている。焼尻島のほうは起伏がゆるく、森が深い。島の人がオンコと呼ぶイチイは、吹きさらしの風に押さえつけられて低く太く育つ。どちらも暑寒別天売焼尻国定公園の中にある。船は一隻で両方をまわり、行きも帰りも焼尻に先に寄る。
おすすめの楽しみ方
航路は羽幌沿海フェリー一社で、ダイヤは季節ごとに何度も切り替わる。10月から4月上旬は一日一往復、真夏は五便から六便まで増える。天売までの所要はフェリーで約95分、高速船で約60分。行きも帰りも焼尻が先に来る。一日でふたつの島を歩けるのは便の多い季節だけだ。薄いダイヤの時期なら、どちらか一方に絞って一泊するほうがいい。
歴史・背景
天売島西海岸の海鳥繁殖地が国の天然記念物になったのは1938年(昭和13年)。このときは崖と岩礁が指定され、ウトウが穴を掘って営巣する崖の上の台地は1979年(昭和54年)に追加された。焼尻島のイチイの森は別に1983年(昭和58年)、「稀有の森林植物相」として指定されている。人の側の記録は、一軒の建物によく残っている。1900年(明治33年)に竣工した旧小納家住宅だ。ニシン漁の網元だった小納家の住まいで、呉服と雑貨の店を兼ね、郵便局と電信局までここに置かれていた。北海道指定の有形文化財で、いまは町の郷土館になっている。
行く前に
- 現金
- きっぷは乗船前にターミナルの窓口で買う。フェリーと高速船では運賃が違う。どちらの島でもカードは当てにせず現金を持っていきたい。食事は宿を予約するときに話を通しておくと確実だ。
- 行く前に
- ダイヤは季節で変わり、残りは海が決める。この海域の便は、荒れればそのまま欠航になる。観光協会の案内に島内のバスは出てこない。載っているのは、天売のレンタサイクル・レンタバイクと、焼尻の観光ハイヤーやレンタサイクルだ。天売の西側はむき出しの断崖で、そこで受ける風は集落のそれとはまるで違う。
- 別ルート
- 船は行きも帰りも両方の島に寄るので、行きに焼尻、帰りに天売、あるいはその逆という組み方もできる。島どうしの区間は短く、フェリーで約25分、高速船なら15分ほどだ。
- 降りたあと
- 船が着くのは島の北東側の天売港。北海道道548号天売島線がここから始まり、島をぐるりとまわる。町の支所も商店も学校も、その道を南へ下ったあたりに並ぶ。宿の人が船まで迎えに来るのが、この島の習わしになっている。