奥出雲 たたら製鉄の里
実写(ライセンス済み)Indiana jo / CC BY-SA 4.0

島根・奥出雲No.928★★地図で見る →

奥出雲 たたら製鉄の里

craft穴場——実はすごい

斐伊川の源流にある山あいの町。砂鉄と木炭と水で、千年以上にわたり鉄を作り続けてきた。町の刀剣館がその工程を開いて見せ、眼下に広がる棚田は、砂鉄を掘った跡地そのものだ。

  1. 起点松江駅
  2. 約2時間30分JR木次線・本数少なめ
  3. 降車出雲横田駅(JR木次線)
  4. 徒歩
  5. 奥出雲 たたら製鉄の里

狙い目

穴場というより、単に遠い。国の重要文化的景観に選ばれ、町は案内の拠点まで置いているので、隠された場所ではない。ただ島根を訪れる人の多くは海側の出雲大社で足を止め、南の山へは向かわない。奥出雲へ通じる木次線は一日に数本しか走らず、静けさは秘密ではなく本数の問題だ。

場所

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見どころ

絲原記念館Vetalapancavimsatika / CC BY-SA 4.0
  1. 出雲横田駅社殿を模した木造駅舎。駅名看板の下に太いしめ縄が下がる
  2. 奥出雲たたらと刀剣館たたら炉と地下構造の実物大断面模型、動かせる吹子の模型3種
  3. 福頼棚田展望台砂鉄を掘った跡地をならして拓いた棚田を見下ろす、道沿いの展望台
  4. 絲原記念館藩から権利を与えられた鉄師・絲原家の屋敷と庭、そして資料
  5. 可部屋集成館同じく鉄師だった櫻井家に伝わる資料を収める館

実際の行き方

  1. 松江駅→宍道駅(JR山陰本線・約25分)。
  2. 宍道駅→出雲横田駅(JR木次線・およそ1時間45分)。本数が少ないので乗る列車を先に決める。
  3. 出雲横田駅→奥出雲たたらと刀剣館(南へ徒歩約15分)。
  4. 棚田の展望台と二つの鉄師の家へはタクシーか車で。谷に点在している。
JR山陰本線で宍道へ、木次線に乗り換え
松江駅→(JR山陰本線・約25分)→宍道駅で木次線に乗り換え→(およそ1時間45分)→出雲横田駅。木次線は単線の山岳路線で本数が少ない。松江を出る前に発車時刻を確かめ、乗る列車を決めてから動きたい。
出雲横田駅から戻る
木次線で宍道駅まで戻り、山陰本線に乗り換えて松江または出雲市へ。午後は便がさらに薄くなる。館を見終えてからではなく、着いた時点で帰りの列車を確かめておきたい。逃すと次まで数時間空くことがある。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

どんな場所か

奥出雲は斐伊川の源流にあたる山あいで、質のよい砂鉄を含む土地だ。人々は千年以上にわたって、その砂鉄と木炭を粘土の炉に重ね、たたらと呼ぶ方法で鉄を取り出してきた。砂鉄を集めるには丘ごと山を切り崩し、土砂を水路に流して比重で選り分ける。鉄穴流しと呼ばれるやり方だ。掘り尽くした跡地は捨て置かれなかった。平らにならして水を張り、棚田に変えられ、今そこで実るのが仁多米になる。鉄と米は、この谷では同じ地形の裏と表だ。

おすすめの楽しみ方

列車に合わせて一日を組むのが正しい。昼前に着けば、刀剣館を見てから町を歩いて戻っても帰りの便に間に合う。日本刀の鍛錬実演は別棟で、毎月決まった日に行われる。実施日は時間も料金も変わるので、先に館へ日程を確かめておきたい。車があれば展望台と二つの鉄師の家まで回れて、谷で一日が過ぎる。

歴史・背景

江戸期の松江藩は、認めた家にだけ炉を営む権利を与えた。この鉄師たちが谷の経済を握っていた。明治に入って安価な洋鉄が流れ込むと、たたらは急速に廃れ、やがて消える。復活は1977年で、日本刀に欠かせない玉鋼を作るため、奥出雲に炉が組み直された。2014年には、砂鉄を掘った跡と棚田が織りなす一帯が国の重要文化的景観に選ばれている。

行く前に

現金
刀剣館は入口で入館料を払う。日本刀鍛錬の実演がある日は別料金で、通常より高い。料金は変わるため、出かける前に町の公式観光ガイドで最新の額を確かめてほしい。現金は用意しておくとよい。
行く前に
木次線は豪雪地帯を走る。出雲横田より南の区間は冬に数週間止まることが多く、そのときは代行輸送が出る。この旅で使う宍道〜出雲横田はふつう動いているが、12月から3月はJR西日本の運行情報を見てから出たい。刀剣館には週に一日の休館日と年末年始の休みがある。
別ルート
出雲市駅からなら、山陰本線で宍道へ出て同じ木次線に乗る。もう一つは車で、こちらのほうが融通が利く。棚田の展望台と二つの鉄師の家は谷に数キロずつ離れて点在していて、列車では届かない。
降りたあと
出雲横田駅から主要道を南へ徒歩約15分で刀剣館に着く。出発前に駅舎を見ておきたい。社殿を模した木造で、駅名看板の下に太いしめ縄が下がっている。