大館曲げわっぱ
実写(ライセンス済み)Nesnad / CC BY 4.0

秋田・大館No.1072★★地図で見る →

大館曲げわっぱ

craft穴場——実はすごい

天然秋田杉を薄く剥いで曲げ、山桜の樹皮で縫い留める大館の器。市街を出た杉木立の丘に建つ博物館には、内装まで杉で張った展示室があり、弁当箱だけではない形がまとめて並んでいる。

  1. 起点大館駅(JR奥羽本線・花輪線)
  2. 約15分秋北バス・大館駅から約15分
  3. 大館曲げわっぱ

狙い目

曲げわっぱ自体は秘密でもなんでもない。東北の工芸店にも通販にも並んでいるし、弁当箱には県外にも根強い支持がある。抜け落ちるのは、なぜそれが大館なのかというほうだ。城主の側に山があり、下級の武士に冬の稼ぎがなかった。その二つを結ぶために始めさせた仕事が、杉の生えている場所から動かないまま残った。静かなのは工芸ではなく、それが置かれている丘のほうである。

場所

秋田のほかの記事 34件・地図で開く →

見どころ(歩く順)

展示館らんで / CC BY-SA 4.0
  1. 展示館大館の林業と鉱業を並べた1階。杉と鉱山が同じ町を支えていたと分かる棟
  2. 展示館2階先史から近代までの大館と、民俗、花岡ものがたりの展示
  3. 曲げわっぱ展示室内装まで秋田杉で張った部屋。寄贈された盆や弁当箱が形ごとに並ぶ
  4. 美術工芸展示室工芸と美術にあてられた、独立した専門の展示室
  5. 秋田三鶏記念館同じ敷地に建つ別棟。国と県の天然記念物である三種の鶏を飼う

実際の行き方

  1. 秋田駅→大館駅(JR奥羽本線。特急も走る)。
  2. 大館駅→獅子ヶ森(秋北バス・獅子ヶ森環状線・約15分)。
  3. 獅子ヶ森から坂を上って博物館の入口へ。
  4. 展示館→曲げわっぱ展示室→敷地内の秋田三鶏記念館の順に見る。
大館駅から秋北バス
大館駅→秋北バスの獅子ヶ森環状線で約15分、獅子ヶ森で降りて坂を歩いて上る。大館はJR奥羽本線の駅で、花輪線の終点でもあり、秋田と青森を結ぶ特急も停まる。ただし地方の環状路線は本数が多くない。出かける前に、その日の時刻を事業者で確かめておきたい。
大館駅へ戻る
同じ環状線で駅前へ戻る。鉄道より先にバスのほうが終わるので、滞在時間を決めるのは列車ではなくバスの時刻表になる。便が噛み合わないときも市街までの距離は短く、タクシーで詰められる。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

どんな場所か

はじめにあるのは木のほうだ。天然秋田杉をまっすぐな木目に沿って薄く剥ぎ、板が動くようになるまで湯で煮る。型に巻きつけて乾かし、重なった端は釘ではなく、穴に通した山桜の樹皮で縫い合わせる。底はそのあとで落とし込む。同じやり方から出てくるのは弁当箱だけではない。櫃、水差し、盆、すし鉢、菓子器、コーヒーカップ。持ち運びに向いていたから弁当箱が有名になっただけで、家の道具としてはむしろ櫃のほうが本筋に近い。内装まで秋田杉で張った展示室に、その形がひと通り置かれている。

おすすめの楽しみ方

開くのは9時で、入館の受付は閉館の30分前に締まる。早いバスで着けば、二つの階と曲げわっぱの部屋を急がずにひと続きで見て回れる。手を動かすほうの体験は市の工房から組合加盟の工房へ移ったので、作ってみたいなら先にそちらへ話を通しておく。

歴史・背景

始まりは、山で働くきこりが杉の柾目で曲物の器を作ったことだと伝えられる。藩政期に入ると、大館城主の佐竹西家が領内に豊富な秋田杉に目をつけ、下級の武士に内職として作らせた。領民の困窮への手当てでもあった。武士の手仕事という出自を持つために、この工芸は職人の集落ではなく城下に根を張っている。昭和55年(1980年)、大館曲げわっぱの名で国の伝統的工芸品に指定された。

行く前に

現金
博物館の観覧は有料で、一般・高大生・小中生で区分が分かれ、市内の小中学生と未就学児は無料になる。同じ敷地の秋田三鶏記念館は無料。金額は変わるので、行く日の大館市の博物館ページで確かめるのが早い。市の窓口なので、現金を持っていくほうが確実だ。
行く前に
休館は月曜。月曜が祝日なら開けて翌平日が休みになり、年末年始も閉まる。秋田三鶏記念館は12月から3月まで冬期閉館する。ここは雪の深い土地で、博物館は市街を出た杉木立の丘に建つ。冬に不確定なのは建物ではなく、道路とバスのほうだ。
別ルート
青森や弘前からは奥羽本線を南下すれば着く。弘前と秋田のあいだに大館を挟む行程が組みやすい。花輪線は八幡平の側から入って同じ駅で終わるので、盛岡方面から回ってくる日程にも収まる。
降りたあと
降りるのは獅子ヶ森。市街のはずれのバス停で、そこから数分、坂を上る。正面に出るのが、石壁に館名を刻んだ低い展示館だ。秋田三鶏記念館は同じ敷地の別棟に建っている。