
長野南西・木曽谷No.772★★★地図で見る →
奈良井宿
木曽谷にある中山道の宿場町で、街道が約1kmにわたって当時の姿のまま残る。木造の町家が両側に途切れず並び、その北端に鉄道の駅がある。
- 起点塩尻駅
- 約35分塩尻からJR中央本線の普通列車
- 降車奈良井駅(JR中央本線)
- 徒歩
- 奈良井宿
場所
長野のほかの記事 27件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 木曽の大橋駅のわきの奈良井川に架かる木造の太鼓橋。川の中に橋脚を持たない架け方
- 中村邸通りの北寄りに建つ櫛問屋の町家。いまは商いの資料を見せる館になっている
- 水場山側に六か所並ぶ木の水槽。いまも樋から水が落ち続けている
- 上問屋史料館通りの中ほどにある問屋役の屋敷。部屋も記録も置かれたまま残る
- 鎮神社通りの南端をふさぐように鎮座する社。参道に古い杉が立つ
実際の行き方
- 塩尻駅→奈良井駅(JR中央本線の普通列車)。
- まず駅のわきの川に架かる木の太鼓橋へ寄る。
- 通りの北端から入り、南へ一軒ずつ見ながら歩く。
- 三分の一ほどと中ほどにある、公開されている二軒の町家に立ち寄る。
- 南端の社まで行き、帰りは通りの反対側を北へ戻る。
- 塩尻駅から普通列車
- 奈良井はJR東海の中央本線にあり、停まるのは普通列車だけ。谷を通り抜ける特急は使えない。塩尻からは三十分と少しを見ておきたい。この区間は本数が薄く、一時間空くことも普通にあるので、行程は時刻表のほうに合わせて組む。
- 谷から出る
- 同じ線が北へ塩尻・松本、南へ木曽福島・中津川と抜けるので、どちら向きにも出られる。夕方以降は街の感覚よりずっと早く終わり、終わったあとの代替手段はほぼない。歩き出す前に帰りの列車を決めておきたい。
どんな場所か
通りの長さは約1km。裏道ではなく、街道そのものがそのまま通りになっている。両側に町家が隙間なく並び、その多くは二階が一階より前へせり出す造りで、正面どうしが近づき、歩くにつれて空が細くなっていく。表は格子で覆われ、奥の部屋は見えない。山側には、木でできた水槽が一定の間隔で置かれ、いまも水が落ちている。旅人の飲み水であり、木造だけでできた町の防火用水でもあった。通りに車は入らない。だから建物の集まりではなく、一本の線として目に入る。
おすすめの楽しみ方
まずはどこにも寄らず端まで歩き切って、帰りに反対側をゆっくり見るといい。向きを変えるだけで、同じ通りがまるで違って見える。夕方近くの光は正面を横切らず、面に沿って走る。せり出した二階の造りにはその角度が合う。脚に余裕があるなら、南端から上っていく旧い峠道まで足を延ばしたい。この町がここにある理由が、そこでいちばんはっきりする。
歴史・背景
奈良井は中山道六十九次の三十四番目にあたり、木曽路でいちばんの難所だった鳥居峠のすぐ手前に置かれた。旅人は峠を越える前か越えた後にここで足を止める。その往来で町は潤い、「奈良井千軒」と呼ばれるほどになった。鉄道が通り抜けの流れを引き取ると、通りはおおむねそのまま取り残された。結果として多くが生き延びる。戦後の保存の動きを経て、1978年に地区全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
行く前に
- 現金
- 通りを歩くこと自体に費用はかからない。公開されている二軒の町家は入館料があり、休みの日もそれぞれで決まっているので、その日の状況を確かめてから向かう。小さな店や茶屋は現金のほうが早い。
- 知っておきたいこと
- 標高のある寒い谷で、ここの冬は「肌寒い」ではなく雪だ。個々の家や資料館は独自の休みがあり、厳寒期は閉まるものも多い。町の南から続く峠道も、雪が乗れば別の難度になる。混むのは夏の午後。
- 別ルート
- 車なら長野自動車道の塩尻インターか、中央自動車道の伊那インターから。周縁の駐車場は合わせて220台分ある。通りには車を入れられないので、いずれにせよ駐車場から歩いて入ることになる。
- 降りたあと
- 奈良井駅は通りの北の端にあり、ホームを降りればもう入口に立っている。そこから南へ歩けば町が一本に伸びていく。川と木橋は駅から少し横へそれた側だ。