三池炭鉱 万田坑
実写(ライセンス済み)水だらけのプール / CC BY-SA 4.0

熊本北・荒尾No.1206★★地図で見る →

三池炭鉱 万田坑

history穴場——実はすごい

三池炭田の熊本側に残る明治の坑口。更地にせず、働いていた構内のまま開けてある。櫓も巻揚機室も安全燈室も浴室も事務所も立っていて、その多くは中に入れる。

  1. 起点熊本駅
  2. 荒尾駅からバス+徒歩JR+荒尾駅からバス
  3. 降車荒尾駅(JR鹿児島本線)
  4. そこから
  5. 三池炭鉱 万田坑

狙い目

万田坑は世界遺産に登録され、駅からの道にも案内が出ている。知られていない場所ではない。珍しいのは入り方のほうだ。日本に残る坑口の多くは柵の外から眺めるだけだが、ここは巻揚機室も安全燈室も事務所も開いていて、機械や備品が据わったままの中に立てる。

場所

熊本のほかの記事 18件・地図で開く →

見どころ(歩く順)

巻揚機室ハポニアラ / CC BY 4.0
  1. 安全燈室と浴室安全燈を充電した部屋と、交代のあとに坑夫がススを落とした浴室
  2. 巻揚機室煉瓦造2階建ての建屋。資材用のウインチとケージの巻揚機が納まる
  3. 第二竪坑櫓坑口にかかる高さ18.8メートルの鋼鉄の櫓。つるべ式にケージを吊った
  4. 事務所ロッカーも湯呑みも壁の暦も置かれたまま残された部屋
  5. 山ノ神祭祀施設坑内へ降りる前に安全を祈った、構内の小さな石祠

実際の行き方

  1. 熊本駅→荒尾駅(JR鹿児島本線)。
  2. 荒尾駅前から産交バスの万田中・倉掛方面行きに乗り、「万田坑前」で下車。
  3. 駐車場脇の万田坑ステーション(無料)で入場券を買い、構内へ歩く。
  4. 安全燈室と浴室から入り、巻揚機室、第二竪坑櫓、事務所と順に回る。
JR鹿児島本線で熊本から北へ
熊本駅からJR鹿児島本線を北へ、県内最北の荒尾駅まで。熊本方面からの列車には荒尾で折り返すものが多く、たいていは乗り換えなしで着く。日中も列車は走っており、運賃はICカードか券売機で払える。
荒尾駅へ戻る
帰りは同じバスで駅前へ戻り、鹿児島本線を南へ熊本方面の列車に乗る。バスのほうが列車より早く本数が減るので、構内に長居する前に、バス停の時刻表で最終の便を見ておきたい。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

どんな場所か

荒尾市は熊本県のいちばん北、福岡県との境に接する市で、足もとには三池炭田が広がっている。万田坑は三井がここに開いた坑口のひとつで、いまも立つ第二竪坑は、石炭を上げるためではなく、人と水と風を通すために掘られた。石炭は別の坑から上がり、この竪坑は坑夫を乗せたケージと、坑内の水を汲み上げるポンプを受け持った。残っているのは記念碑ではなく構内ひとそろいだ。鋼鉄の櫓、煉瓦の巻揚機室、安全燈室と浴室、倉庫およびポンプ室、事務所、そして山ノ神の小さな祠。遺産の範囲は県境をまたいでいて、一部は福岡県側にかかっている。

おすすめの楽しみ方

開くのは9時30分、最終入場は16時30分なので、午後の早い時間に着ければ建屋をひととおり急がずに回れる。まずは無料の万田坑ステーションへ。竪坑の内部をたどるVRがあり、実際には入れない地下の側を見せてくれる。定時の無料ガイドもここから出る。

歴史・背景

万田で石炭を掘りはじめたのが1897年、第二竪坑に鋼鉄の櫓が上がったのが1908年になる。採炭を止めたのは1951年。この坑の炭層が採算に合わなくなったからだが、竪坑の役目はそこで終わらなかった。三池全体の坑内水を汲み上げる仕事を引き受け、炭鉱が閉じる1997年まで働きつづけた。建屋が国の重要文化財になったのが1998年。明治期の産業遺産群として世界文化遺産に登録されたのが2015年だ。

行く前に

現金
万田坑跡の見学は有料で、確認時点で大人410円。高校生・小中学生はこれより安く、未就学児は無料。駐車場脇の万田坑ステーションは入るだけなら無料だ。バス代のために現金も持っておきたい。
行く前に
建屋の外は雨も日差しもしのげず、構内は砂利と古い軌道で足もとが悪い。休みは月曜(祝日にあたるときは翌平日)で、年末年始も閉まる。
別ルート
福岡側からなら大牟田駅のほうが近い。倉掛方面の西鉄バスがこの一帯へ走っている。どちらの駅からでも、タクシーなら門前まで直接入れる。
降りたあと
荒尾駅前から産交バスの万田中・倉掛方面行きに乗り、「万田坑前」で降りて歩く。車なら、万田炭鉱館を過ぎた先に駐車場と万田坑ステーションがあり、そこから構内までは歩いて数分だ。