
青森・八戸の海辺No.1069★★地図で見る →
蕪島
〜ウミネコの繁殖地と社〜
種差海岸の北の端に、草の丘がひとつ低く盛り上がっている。てっぺんには社、斜面には半年のあいだウミネコの群れ。遠くから眺めるのではなく、そのなかへ歩いて入っていける繁殖地だ。
- 起点八戸駅
- 約35分JR八戸線+徒歩
- 降車鮫駅(JR八戸線)
- 徒歩
- 蕪島
狙い目
隠れた場所ではない。八戸の観光案内はどれも表紙級の扱いで、市の鳥もウミネコだ。見落とされるのは場所ではなく暦のほうにある。群れがいるのは冬の終わりから8月半ばまで。その外に来ると、丘は静かな草地と社殿に戻る。それはそれで悪くないが、目当てのものは空にいない。もうひとつは「近い」の度合いだ。傘を貸し出すほどの距離だというのは、写真だけでは伝わらない。
場所
青森のほかの記事 34件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 蕪島休憩所丘の四季と歴史の展示。螺旋階段の天窓と小窓が、営巣の様子をのぞける位置に開く
- 赤鳥居と石段くぐる手前で無料の傘を貸してくれる。上から降ってくるものへの備え
- 頂の社殿建て直された社殿。正面の唐破風はウミネコが羽を広げた姿に見立ててある
- 海側の斜面参道の左右の草地に巣が並び、その先に岩礁と太平洋が開ける
- 蕪島海浜公園と砂浜丘の足元にひろがる芝生と砂浜。ここが種差海岸のいちばん北の端になる
実際の行き方
- 東京→八戸駅(東北新幹線はやぶさ・乗り換えなし)。
- 八戸駅→鮫駅(JR八戸線)。
- 鮫駅から海側へ歩き、丘の足元の蕪島休憩所へ。そのまま鳥居をくぐって石段を上がる。
- 海側へ下りて海浜公園と砂浜へ。ここから海岸沿いの道か、うみねこ号に接続できる。
- JR八戸線・八戸駅から
- 八戸駅→(JR八戸線・約20分)→鮫駅。そこから海に向かって徒歩15分ほどで丘の足元に着く。八戸〜鮫の区間は市内線として案内されていて、久慈方面まで通しで走る列車より本数が多い。使いやすいのはこの区間のほうだ。
- 鮫駅から八戸駅へ
- 帰りも同じ八戸線。新幹線のホームは市街地の本八戸ではなく八戸駅の側にあるので、県外へ抜けるならその一区間を見込んでおく。夕方以降は本数が細るから、島へ歩き出す前に鮫駅の発車表で帰りの列車を決めておくといい。
どんな場所か
蕪島は小さい。面積はおよそ1.8ヘクタール、草と岩ばかりの丘で、いちばん高いところに建つのが神社の社殿だ。繁殖期にはおよそ3万羽のウミネコが上陸する。断崖ではなく、石段の左右に広がる開けた斜面にそのまま巣をつくるので、参道を上がる人と巣とのあいだに距離がほとんどない。鳥居の桁の上にも、手すりにも、屋根の上にも鳥がいる。八戸市はウミネコを市の鳥に定めている。
おすすめの楽しみ方
ウミネコが上陸するのは2月の終わりから3月にかけて。4月に産卵し、8月半ばには島を離れる。この期間の外に来ると、見られるのは社殿までだ。5月中旬は斜面に菜の花が重なり、黄色の上に赤い鳥居、その上に白い鳥という並びになる。足元の蕪島休憩所は朝9時に開いて夕方には閉まり、冬はもう少し早い。当日の時間は市の公式ページで確かめてから予定を組むほうが確実だ。
歴史・背景
社伝では創建は永仁4年、西暦1296年とされる。鮫に住みついた武将の一族が、この地の姿を江ノ島に重ねて市杵嶋姫命を弁財天として祀ったのが始まりだという。商売繁盛と漁の安全を願う社として続いてきた。ウミネコ繁殖地が国の天然記念物に指定されたのは1922年3月8日。島だった蕪島が陸続きになるのは1942年で、旧海軍が海峡を埋め立てている。2015年11月には社殿が全焼したが、全国から寄付が集まり、青森県産材を主に使って建て直された社殿が2020年に完成した。
行く前に
- 現金
- 丘に改札はない。境内も海浜公園も開けた場所で、隣の駐車場は無料。繁殖期は石段の手前で傘を無料で貸してくれる。休憩所は市の施設で、開館時間は現地と市のページに掲示されている。数字を当てにせずそこで確かめるのが確実だ。売店まわりはカードが使えないところもあるので、現金も少し持っておく。
- 知っておきたいこと
- むき出しの太平洋側で、風がまともに当たる。初夏は海霧が丘に居座って何時間も晴れないことがある。繁殖期のフンは避けようがないので、傘は借りて、汚れて困る上着は着ていかない。頂上までは屋根のない石段を上がることになる。
- 別ルート
- 鮫駅は種差海岸遊覧バス「うみねこ号」の起点でもあり、海沿いを南へ種差海岸駅まで走る。春から秋は毎日、冬は土日祝の運行で、運賃は数百円に収まる。車なら八戸自動車道の八戸ICから約25分、丘の足元に駐車場がある。
- 降りたあと
- 鮫駅を出たら海の方角へ。道は平坦で、歩いているあいだ丘はほとんど視界に入っている。迷う要素はなく、赤い鳥居が目印になる。