
宮城・石巻の島No.838★★地図で見る →
田代島
〜猫が暮らす石巻沖の漁の島〜
石巻の沖に、小さな港をふたつ持つ島がある。そのあいだの尾根に猫神社が立つ。猫が暮らしているのは、いまも漁を続けている集落の路地だ。
- 起点石巻駅
- 約45〜60分網地島ラインの船
- 降車仁斗田港(網地島ライン)
- そこから
- 田代島
狙い目
「猫の島」という呼び名は島そのものよりずっと遠くまで届いているから、ここは知られていない場所ではない。見落とされやすいのは、ここがまず生活の漁村で、写真になるのはその次だという順序のほうだ。猫のための公園も順路もない。路地は住民の玄関先で、猫はそこに住んでいるだけである。
場所
宮城のほかの記事 23件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 仁斗田港島の南の港。猫をかたどった歓迎ゲートの脇に船が着く
- 仁斗田の集落島の働く側。家と家のあいだに網と浮きが積まれている
- 猫神社島の中央、木立の尾根に立つ小さな鳥居と石段
- 大泊港島の北の港。船が着くもうひとつの入口
実際の行き方
- 仙台駅→石巻駅(JR)。
- 石巻駅→石巻中央発着所へ。
- 網地島ラインで田代島・仁斗田港へ。
- 集落の路地を歩き、猫神社へ上がり、大泊へ抜けるか元の港へ戻る。
- 石巻から網地島ラインで
- 本土側の起点は石巻駅。網地島ラインは旧北上川の河口近く、石巻中央発着所と門脇発着所から出る。所要はどの発着所から乗り、どちらの港に先に着くかで四十五分から一時間ほどのあいだに収まる。仁斗田と大泊、島のふたつの港はどちらも航路に入っている。
- 仁斗田・大泊から戻る
- 帰りも同じ航路で本土へ戻る。便数は限られているので、石巻を出る前に運航ダイヤを確かめ、島に着いたらもう一度見ておきたい。橋はないので、船を逃すと帰る手段がない。
どんな場所か
田代島があるのは牡鹿半島の西側、旧北上川の河口から南東へ出た海の上だ。面積2.92平方キロ、周囲11.5キロ、木に覆われた尾根がそのまま海に落ちている。港は南の仁斗田と北の大泊のふたつ。住民基本台帳に載る人は五十人に満たない。仕事はいまも漁で、大型定置網、刺し網、浅海の養殖が島を回している。猫は観光のために置かれたものではない。漁村が何世代もかけて抱え込んできた結果だ。
おすすめの楽しみ方
便が少ないので、最初に決めるのは行きではなく帰りの船だ。片方の港に着いてもう片方から出れば、島は往復ではなく尾根をひと筋越える片道の道になり、猫神社はちょうどその真ん中に来る。最終便を追わずに泊まりたいなら、内陸に漫画家がデザインしたロッジのキャンプ施設がある。
歴史・背景
島の中央に祀られているのは美與利大明神で、大漁の守り神として扱われてきた。島に伝わる由来はこうだ。大謀網を仕掛けるための石を採っていたときに、外れた石が猫に当たって死なせてしまい、網元がその猫を葬って神として祀った。漁師たちは猫の動きから天候や漁の良し悪しを読んだという。2009年、国土交通省はこの猫神社とその周囲の景観を「島の宝100景」に選んでいる。
行く前に
- 現金
- かかるのは船賃だけで、神社も路地も港も無料だ。島で買い物はほとんどできないから、その日に要るものは現金と一緒に持って渡ること。
- 知っておきたいこと
- 海が荒れれば欠航する。開館時間よりも、この天候のほうが行程を左右する。島は暮らしの場でもある。路地は人の家の前を通り、猫は訪ねてきた側ではなく、家と船に属している。
- 別ルート
- 本土側の発着所は門脇にもあり、こちらのほうが石巻中央より航海が短い。同じ航路の網地島は田代島より大きな島で、ダイヤが噛み合えば一度の行程で組み合わせられる。
- 降りたあと
- 仁斗田港は南側の船着き場で、岸壁に猫をかたどった歓迎のゲートが立っている。その裏手からすぐ集落の路地が始まり、猫神社への道はそこから島の中央へ上がっていく。大泊は尾根を越えてさらに北だ。