
山口中部・萩往還No.833★★地図で見る →
佐々並市 萩往還の宿場町
萩城下と瀬戸内を結ぶ旧街道の、ちょうど中間の宿場。旧道には赤瓦の主屋が並び、裏手には石垣の棚田が段になって続く。国の重要伝統的建造物群保存地区でありながら、いまも耕されている村だ。
- 起点山口駅
- 約1時間中国JRバス
- 降車佐々並バス停(中国JRバス)
- 徒歩
- 佐々並市 萩往還の宿場町
狙い目
知られていない村ではない。ただ、指定を受けても家が空にならなかった。佐々並市は内陸にあり、いまでは山口と萩のあいだを行く人の多くが素通りする位置にある。土産物通りにならず、農村のまま残った。平日の静けさは、観光地の静けさではなく、仕事場の静けさだ。
場所
山口のほかの記事 13件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 旧小林家住宅集落の入口に建つ商家。市の散策コースはここから始まる
- 中ノ町・上ノ町の町並み茅葺と赤い石州瓦の主屋が途切れずに続く、旧道の中心部
- 御客屋跡上級の家臣が泊まった宿の跡。いまも位置が地面に示されている
- 西岸寺集落の端に建ち、散策コースを締めくくる寺
- 萩往還の道集落を出たところの旧街道。棚田のあいだを細い道が抜けていく
実際の行き方
- 山口駅→佐々並(中国JRバス防長線・萩方面)。
- 佐々並バス停→旧道の町並みへ(徒歩約3分)。
- 旧小林家住宅から中ノ町・上ノ町を抜け、西岸寺までコースをたどる。
- あとの便で萩へ抜けるか、同じ路線で山口へ戻る。
- 山口駅から中国JRバス
- 中国JRバスの防長線が山口駅から山を越えて萩方面へ走っていて、佐々並はその途中の停留所にあたる。バスは谷ぞいに停まりながら進むので、同じ道を車で行く場合よりかなり余裕を見ておきたい。日中の便数も多くはない。時刻表を先に読んでから、その日の組み立てを決めること。
- 萩へ抜けるか、山口へ戻るか
- 同じ路線はそのまま萩へ抜けるので、往復ではなく通過点として使える。山口から萩へ移動する日の途中に挟むのが、いちばん収まりがいい。どちらへ向かうにせよ、着いたらまず停留所の時刻を確認しておくこと。駅舎も係員もない。
どんな場所か
萩往還は萩の城下から山を越え、瀬戸内の三田尻へ抜ける道だ。佐々並市はその真ん中にあたる。旧道ぞいには茅葺と、この地方特有の赤褐色の石州瓦をのせた主屋が並び、その裏手では地面が石垣と水路で段になって落ちていく。保存地区はその両方を範囲に入れている。町並みと、それを支える棚田は、ここでは切り離せなかったからだ。萩市は集落を通る約1kmの散策コースを設定している。
おすすめの楽しみ方
市の示すコースを歩き通すと1時間ほど。裏手の棚田まで足を止めれば、もっとかかる。狙うなら午前の遅い時間で、バスは朝晩が細く、待つための屋内もない。入場料も門もない代わりに、ここは人が住んでいる村だ。道と示された歩き筋から外れないこと。
歴史・背景
佐々並市が宿場として整うのは江戸時代の初めで、核になったのは藩主が旅の途中で休む御茶屋だった。位の高い家臣は御客屋という別の宿を使い、その跡はいまも地面に示されている。同じ道を、幕末には長州の志士たちが萩と海のあいだで行き来した。御茶屋を起点に切られた地割はそのまま残っていて、だからこの通りは古い家が並んでいるというより、設計図が読めるかたちで残っている。国の指定はその点に対して与えられたものだ。
行く前に
- 現金
- 村を歩くこと自体に費用はかからない。バス代と、集落で何か買う分の現金は用意しておくこと。ここで引き出せる前提で来ないほうがいい。
- 行く前に
- 閉まるものがない代わりに、逃げ込む場所もない。コースは全行程が屋外で、屋根のある待避所はほとんどない。海沿いではなく内陸の山あいなので、冬の寒さは一段きつい。
- 別ルート
- 車なら萩市中心部から国道32号・262号で約30分、山口市中心部から国道9号・262号で約25分と萩市は案内している。北から来る場合は、同じバス路線が萩から明木を経て佐々並へ下ってくる。
- 降りたあと
- 佐々並バス停は国道262号ぞい、集落のきわにある。萩市は保存地区まで徒歩3分としている。国道から旧道へ折れれば、そこからすぐ主屋の並びが始まる。