山陰・倉吉No.458★★地図で見る →

鳥取二十世紀梨

food穴場——実はすごい

熟しても青いままの果皮と、水気の多いしゃりっとした果肉。一世紀以上にわたって鳥取の名とともに語られてきた梨だ。産地に触れる場所は倉吉の記念館で、館内には棚仕立ての大木が一本、収穫期に限らず通年で見られる。

鳥取二十世紀梨
実写(ライセンス済み)David J. Stang / CC BY-SA 4.0

二十世紀梨は青梨だ。熟しても果皮は黄緑のままで、果肉はざらりと粗く、水気が多い。甘いだけにならず酸がきちんと残る。この品種は鳥取で生まれたわけではないが、鳥取が引き受けて広げた。以来ずっと、品種名と県名はひと続きの言葉として読まれている。ただ、そのぶん困ることがある。梨は棚仕立ての畑で育ち、その畑はどこも人の私有地で、見物する場所ではないからだ。倉吉が出した答えは、果物ひとつのために博物館を建て、そこへ大木を一本収め、実のならない季節にも開けておくことだった。

なぜ穴場のままか

県でいちばん名の通った産品であって、隠れた存在ではない。むしろ難しいのは、他人の畑に入らずに梨の木を見ることのほうだ。その隙間を埋めているのがこの館である。屋内で、冬も開いている。果実そのものが晩秋には姿を消す土地では、それが効いてくる。

歴史・背景

始まりは偶然だった。1888年、千葉県松戸で松戸覚之助が見つけた実生の一本が、当時主流だった赤梨とは違う淡い青の梨をつけた。やがてこの木は、始まろうとしていた新しい世紀の名を与えられる。1904年、苗は鳥取へ渡った。気候が合い、栽培する農家が県の農業の形を変えるほどの数に増えていく。倉吉の記念館が開いたのは2001年。鳥取県が運営し、その来歴を一棟にまとめている。そして、言葉より早く事情を伝える一本の木を、その真ん中に置いた。

見どころ(歩く順)

鳥取二十世紀梨記念館(倉吉パークスクエア)Hisagi / CC BY-SA 3.0
倉吉パークスクエア
記念館が建つ公共の複合施設。コンサートホールと広い無料駐車場を併せ持つ
二十世紀梨の巨木
屋内に据えられた棚仕立ての大木。枝が20mほどにわたって広がる
ものがたり劇場と梨ガーデン
1階の展示。一本の実生が県の作物になるまでをたどる
不思議ガーデンと資料展示室
2階の展示。梨の育ち方を扱い、キッズコーナーと映像学習室が続く
パーラーとショップ
二十世紀梨のソフトクリームと菓子、そして食べ比べのカウンター。同じ建物の中にある

おすすめの楽しみ方

開館は9時から17時、最終入館は16時40分。ゆっくり回って1時間ほどだ。食べ比べのカウンターには幸水・二十世紀・新水の3品種が同時に並ぶ。青梨とは何かを覚えるのに、これより早い方法はない。しかも収穫期に限らず通年やっている。畑の二十世紀梨そのものの盛りは晩夏から9月ごろで、その時期に来られるなら、町なかの直売と組み合わせるといい。

実際の行き方

起点
倉吉駅
所要
約10分 · 倉吉駅からバス約10分
降車
パークスクエア バス停(日ノ丸バス・日本交通)
  1. 倉吉駅→パークスクエア(駅南口から市内経由線のバスで約10分)。
  2. パークスクエア→記念館入口(敷地内を歩いてすぐ)。
  3. 1階は二十世紀梨の巨木から。ものがたり劇場、梨ガーデンと続く。
  4. 2階の不思議ガーデンと資料展示室を回り、最後はパーラーで二十世紀梨のソフトクリームを。
倉吉駅からバス
倉吉駅→パークスクエア、駅南口からの市内経由線で約10分。倉吉駅は山陰本線の駅であると同時に、京都・大阪・姫路からの特急スーパーはくとの終着駅でもあり、関西からは乗り換えなしで来られる。
パークスクエアから戻る
同じ市内経由線で倉吉駅へ。便数は多くなく、館も夕方には閉まるので、行きのうちに帰りの時刻を確かめておきたい。間に合わなければタクシーでも同じ距離だ。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
入館料は大人300円、小・中学生150円。団体割引がある。パーラーとショップも同じ建物の中にある。駐車場は無料。
定休
休館は毎月第1・第3・第5月曜日。祝日・振替休日にあたる場合は、その後の休日でない日に振り替わる。年末年始は12月29日から1月3日まで。最終入館は16時40分。木は屋内にあるので、天候に左右されない。
別ルート
車なら岡山から湯原IC経由で約2時間、大阪からはわいIC経由で約3時間30分。倉吉パークスクエア全体で共用する広い無料駐車場がある。
降りたあと
バスが着くのは倉吉パークスクエアの敷地内。コンサートホールや広場と同居する公共の複合施設で、記念館の入口へは「パークスクエア」「パークスクエア北口」どちらの停留所からも敷地を横切ってすぐだ。

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