愛知・知多半島No.455★★地図で見る →
常滑焼
常滑の古い窯業地区を歩く道標付きのコース。擁壁には土管と焼酎瓶が埋め込まれている。起点の陶磁器会館は駅から徒歩5分、空港からは2駅。

常滑は知多半島にあり、空港へ向かう線路と同じ線の上にある。日本六古窯のひとつに数えられ、平安時代の終わりごろから焼き物が続いてきた土地だ。かつての生産地区は「やきもの散歩道」として道標が整えられ、短いコースで約1.6キロ。黒い板壁の工場の上にレンガの煙突が立ち、擁壁や路面は町から出ていかなかった土管と瓶で組まれている。歩くこと自体は無料で、出発点は常滑市陶磁器会館。
なぜ穴場のままか
常滑は焼き物の世界では知られた名で、隠れた町ではない。見落とされているのは距離のほうだ。空港から2駅、乗り継ぎの待ち時間に収まる近さにありながら、コースが横切る一帯は保存された街並みではなく、いまも仕事が続いている場所である。
歴史・背景
この斜面で窯が焚かれ始めたのは平安時代の終わり、1100年ごろ。猿投窯から南へ広がった窯の系譜を引いている。以来長く焼かれたのは食器ではなく貯蔵の器で、碗や壺、大ぶりの甕が釉薬なしで固く焼き締められた。町の代名詞になった朱泥の急須はずっと後で、完成は1854年。1870年代の初めからは、下水を敷き始めた国のために規格化した土管を焼くようになる。散歩道の壁と坂をつくったのは、急須よりもむしろこの土管産業だった。
見どころ(歩く順)

- とこなめ招き猫通り
- 駅からの上り道。道路上の壁面に陶製の招き猫が並ぶ
- 常滑市陶磁器会館
- 両コースの発着点。観光案内所を兼ね、荷物も預かってくれる
- 廻船問屋 瀧田家
- 江戸末期の廻船問屋の住まいと仕事場。市の指定文化財
- 土管坂
- 両側の擁壁に土管と焼酎瓶を埋め込んだ短い坂
- 登窯(陶栄窯)
- 斜面に築かれた階段状の連房式登窯。国の重要有形民俗文化財
おすすめの楽しみ方
短いAコースは歩いて約1時間、タイルと陶磁の博物館まで足を延ばすBコースは約2時間30分。会館と有料の二館はいずれも午前に開き、夕方前に閉まるので、昼食の後より先に歩き出したほうがいい。道が細く、沿道の多くが住まいと仕事場なので、平日のほうがこのコースには向く。
実際の行き方
- 中部国際空港→常滑駅(名鉄空港線・2駅、約5分、330円。ミュースカイは停まらない)。
- 常滑駅→常滑市陶磁器会館(徒歩約5分)。
- Aコースを歩く:招き猫通り→瀧田家→土管坂→登窯(陶栄窯)→会館へ戻る。
- Bコースなら、そのままタイルと陶磁の博物館まで足を延ばしてから戻る。
- 中部国際空港から名鉄空港線
- 中部国際空港駅→(名鉄空港線・りんくう常滑を挟んで2駅)→常滑駅。約5分、330円。ミュースカイは日中ほとんど常滑駅に停まらないので、特急・準急・普通のいずれかに乗ること。駅から陶磁器会館までは徒歩約5分で、両コースはここから始まる。
- 常滑駅から戻る
- 空港方面も名古屋方面も、日中は同じ駅から本数がある。飛行機に向かう場合、常滑からミュースカイには乗れない点に注意。特急か準急に乗り、乗り継ぎの余裕を少し多めに見ておくとよい。コースは周回なので、終点はホームから徒歩5分の場所に戻る。
行く前に
- 現金
- 歩くだけなら無料。瀧田家は入場料が要る(中学生以下は無料)。陶磁器会館は入館無料で、観光案内と荷物預かりも兼ねている。周辺の駐車場は一日単位の料金制。
- 定休
- 瀧田家と登窯広場展示工房館は水曜と年末年始が休み。陶磁器会館は年末年始を除いて開いている。Aコースの道は細く車の通り抜けができない。坂の路面はコンクリートではなく焼き締めた土管の輪でできている。
- 別ルート
- 名鉄名古屋からは常滑線の特急で常滑駅まで直通、750円。ミュースカイは通過するので、乗る前に種別を確かめること。
- 降りたあと
- 常滑駅から徒歩約5分で常滑市陶磁器会館。道標付きの二つのコースはここが発着点で、地図は窓口でもらえる。