
岩手・釜石No.1165★★地図で見る →
橋野鉄鉱山
釜石の市街から山へ入った谷に、切石を積んだ高炉の基部が残る世界遺産。幕末の南部藩が洋式高炉で鉄をつくった場所で、見学は無料、入口にインフォメーションセンターがある。
- 起点釜石駅(JR釜石線)
- 約50分釜石駅から車・タクシー
- 橋野鉄鉱山
狙い目
ユネスコの世界遺産だから、知られていない場所ではない。単純に、行きにくいだけだ。県や東北の観光団体が案内しているのは海沿いから山へ入る車のルートひとつで、冬は雪が季節ごと閉ざしてしまう。そのぶん、世界遺産にしては珍しく、人の流れに押されずに自分の足取りで見て回れる。
場所
岩手のほかの記事 17件・地図で開く →見どころ(歩く順)
- 橋野鉄鉱山インフォメーションセンター入口に建つ案内施設。映像と解説パネル、音声ガイドペンやARタブレットの貸し出しがある
- 三番高炉跡三基のうち最も古く、最後まで火が入っていた炉。初期の高炉の基本形とされる石組
- 一番高炉跡・二番高炉跡切石を四角く積み上げた炉の基部が、高炉場に二つ並ぶ
- 水車場跡沢から引いた水が動力を生んでいた場所に残る石組
- 御日払所跡・長屋跡事務方の建物と働き手の住まいがあった平場と、その礎石
実際の行き方
- JR釜石線または三陸鉄道リアス線で釜石駅へ。
- 駅でレンタカーかタクシーを手配する。季節限定で駅発のシャトルバスが出る日もある。
- 内陸の橋野の谷へ、車で約50分。
- インフォメーションセンターから歩き始め、三基の高炉跡へ向かう。
- 釜石駅からは車で
- 釜石駅から内陸の橋野の谷へ、レンタカーかタクシーで約50分。これはいわて三陸の観光ガイドと東北観光推進機構がそろって示している目安だ。レンタカーの窓口もタクシー乗り場も駅前にあるので、最後の行程は駅で決めてしまうのが早い。釜石観光物産協会が季節限定で駅発のシャトルバスを走らせる日もある。
- 海側へ戻る
- 来た谷道をそのまま戻れば釜石駅に出る。ここは遠野を経て内陸へ向かうJR釜石線と、海沿いを走る三陸鉄道リアス線が交わる駅だ。帰りは明るいうちに動き出したい。インフォメーションセンターは夕方に閉まり、山道は暗くなってから覚えるような道ではない。
どんな場所か
橋野鉄鉱山は、ひとつの建物ではなく、山あいの谷にまるごと敷かれた製鉄の工程そのものだ。斜面の上で磁鉄鉱を掘り、石垣で固めた運搬路を下ろし、谷底の高炉場で銑鉄に変えた。その高炉場に、切石を積んだ高炉の基部が三基残る。四角い石の塊の内側には、かつて耐火煉瓦の炉が組まれていた。沢から引いた水が動力をまかない、高炉の周りには事務方の建物や働き手の住まいがあった平場の跡が今も読み取れる。採掘場と運搬路は非公開で、歩けるのは高炉場の一帯になる。
おすすめの楽しみ方
冬を外して、インフォメーションセンターが開いている時期に行きたい。映像とパネルを先に見ておくと、並んだ石の塊が製鉄の工程として読めるようになる。音声ガイドペンかARタブレットを借りて、三番高炉から外側へ順に歩くのがいい。午前遅くに着けば、午後は釜石の海側に戻る時間が残る。
歴史・背景
最初の高炉が築かれたのは1858年(安政5年)。指導したのは南部藩の技術者・大島高任で、日本では近代製鉄の父と呼ばれている。やがて隣にもう二基が並び、経営者を替えながら1894年(明治27年)まで稼働を続け、より大きな製鉄所に統合されるかたちで火が落ちた。跡地は1957年(昭和32年)に国の史跡に指定され、2015年には「明治日本の産業革命遺産」の構成資産としてユネスコ世界遺産に登録された。
行く前に
- 現金
- 高炉跡の見学は無料で、インフォメーションセンターにも入場料はかからない。史跡のガイドは有料で、釜石市の世界遺産担当か地元のガイド会を通して頼む。買い物が必要なら、山へ上がる前に釜石の市街で済ませておきたい。
- 行く前に
- インフォメーションセンターは冬期休館で、この季節は積雪のため見学そのものが難しくなる。釜石市の見学案内も歩きやすい靴を勧めている。高炉場は舗装路ではなく、土と石の地面だからだ。
- 別ルート
- 海側からではなく盛岡方面から向かうなら、花巻・遠野を経由するJR釜石線で釜石駅へ。谷へ上がる車の行程は、同じ駅前から始まる。
- 降りたあと
- 釜石駅は鉄道の起点であって、歩いて行ける距離ではない。高炉場はそこからかなり内陸の山あいにある。タクシーか車を使う。インフォメーションセンターには敷地内に駐車場があり、高炉場はその先だ。